強化ガラスの強度の弱点とは?ガラスの小口が弱い特徴と割れる力の原理を解説
こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社では、さまざまなガラスやミラーを取り扱っています。
今回は強化ガラスの弱点である小口が弱いという特徴についてご紹介します。
動画でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
日本板硝子株式会社、セントラル硝子株式会社、旭硝子株式会社
及び国内強化加工メーカーによるJIS R3206強化ガラス規格適合品を取り扱っております。
詳しくは強化ガラス専門店をご参照ください。
もくじ
強化ガラスの4つの特性について
強化ガラスの主な特性としては、以下の4点があげられます。
- 強化ガラスはフロートガラスに比べて3~5倍程度の強度がある
- 熱に強く耐熱温度は150~200度と高い
- 万が一割れても粉々になるため破片で大けがをしない
- 小口が弱い、反りが出る、割れた際に破片が飛び散るなどといった弱点がある
強度についての詳細は、日本板硝子のガラス技術資料編データをご覧ください。
フロート板ガラスの平均破壊応力が面内54.9(560)、エッジ35.3(360)に対し、
強化ガラスは面内142.2(1450)、エッジ131.4(1340)と、強度が高いことがわかります。
詳しくは日本板硝子:ガラス技術資料編データ参照を参照ください。
物が外の力により、破壊する時の応力。
応力には引っ張り、圧縮、ずれ、などの形式がある。
多くの材質では応力形式によって破壊値が異なるため、それぞれ引っ張り強さ、圧縮強さ、剪断強さと呼ばれている。
フロートガラスと強化ガラスに硬いものをぶつけるとどうなる?
ここからは、強化ガラスとフロートガラスのガラス面、小口(側面)に硬いものをぶつけていきます。
それぞれどのぐらいの衝撃で割れるのか、様々な道具や物を使って実験した結果を紹介します。
ガラス面の強度の比較!ハンマーで叩いてみる
まずはガラス面をハンマーで叩いてみます。
フロートガラスは割れましたが、強化ガラスは割れませんでした。
強化ガラスの面の強度がかなり強いことがわかります。
ガラスの小口の強度の比較!パイプや角材で衝撃を与える
小口を塩化ビニール製のパイプで数回叩いてみました。
フロートガラス・強化ガラスとも問題ありませんでした。
小口を角材(木)で衝撃を与えましたが、フロートガラス・強化ガラスともに問題ありませんでした。
ガラスに大きめのスプーンを使って衝撃を与える
次は少し大きめの金属製スプーンで同じように衝撃を加えてみます。
最初は優しく叩きますが、徐々に力を加えていきます。
序盤はフロートガラスが少しずつ欠けていきますが、強化ガラスは無傷のままです。
しかし、一定以上の衝撃を加えていくと、強化ガラスは粉々になってしまいました。
これは強化ガラスに「厚み1/6以上の欠けが生じると全体が粉々になる」という特徴があるためです。
強化ガラスの特徴や弱点をもっと詳しく知る!
強化ガラスはフロートガラスを650~700度まで加熱した後、急冷して作られます。
その急冷により、ガラスの表面が内部よりも先に固まります。
板厚の約1/6程度に圧縮応力層と呼ばれる層ができ、内部にはそれに釣り合う引張応力層ができます。
強化ガラスの厚み1/6以上の欠けが生じた場合、この圧縮応力層と引張応力層のバランスが崩れます。
すると、ガラス全体が一瞬にして粉々に破損するという特徴があります。
ガラスの小口に固いものがぶつかると、ガラスに欠けができます。
フロートガラスは欠けるだけですが、強化ガラスは全体が一瞬にして粉々になってしまいます。
強化ガラスの特徴について、動画でも詳しく解説しています!
この記事で紹介した強化ガラスの特徴や、実践した実験は上記の動画でご覧いただけます。
強化ガラスの特徴についてのまとめ
強化ガラスは、フロートガラスに比べて強度や熱にも強く、万が一割れても粉々になるという特徴があります。
粉々になることで大きな破片が出ず、怪我をしにくいメリットがあります。
そのため、テーブルの上に置くガラスは、強化ガラスをおすすめしています。
強化ガラスのテーブルトップをご使用の場合、上からの衝撃で割れることはまずありません。
しかし小口に固いものがぶつかると、ガラスの欠けが原因で割れてしまいます。
ガラス板のサイズはテーブル天板同じサイズにするか、2~3㎜小さめにするのがおすすめです。
株式会社コダマガラスでは、
日本板硝子株式会社、セントラル硝子株式会社、旭硝子株式会社
及び国内強化加工メーカーによるJIS R3206強化ガラス規格適合品を取り扱っております。
詳しくは強化ガラス専門店をご参照ください。