耐熱ガラスは温度差で割れる?ガラスを急冷する割れる現象の理由と原理を解説
こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社では、弊社ではさまざまなガラス・ミラーを取り扱っています。
ガラスのコップにお湯を注ぐと割れてしまうことがあります。
これは「熱割れ」と呼ばれる、急な温度変化が原因です。
熱割れは、普通の窓ガラスやテーブルのガラス、お店などのカウンターの間仕切りガラスなどでも起こります。
今回はこのガラスの熱割れについて、ガラスが温度変化で割れる仕組みだけでなく、耐熱ガラスがなぜ熱に強いのか解説します。
動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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もくじ
ガラスの熱割れには熱伝導率と熱膨張が深く関係している
熱伝導率とは、1つの物質内での熱の伝わりやすさを示した数値です。
熱伝導率の数値が高いほど熱が伝わりやすく、低いほど熱が伝わりにくいということになります。
ガラスは熱伝導率の値が低く、熱が伝わりにくい素材です。
熱が伝わりづらいという素材特性が、ガラスの熱割れに関係しています。
ガラスの温度があがると熱膨張が起こる
温度が上がると、物体の長さや体積が増加する現象(熱膨張)が起こります。
ガラスも例外ではなく、ガラス板の端から熱を加えると、熱が伝わった部分は膨張します。
ひとつのガラスの中で温度差ができることによって割れてしまう
しかしガラスは熱が伝わりにくい素材です。
熱が伝わらない部分はそのまま、一部分の温度が上昇し、膨張します。
一つのガラスの中で温度差ができ、また温度によって部分的に大きさが変わっていきます。
これにより物質内部でひずみが生まれ、ガラスが割れてしまいます。
これがガラスの熱割れの仕組みです。
耐熱ガラスはなぜ熱に強いのか?
普通のガラスが熱割れしてしまうのですが、耐熱ガラスはなぜ熱で割れないのでしょうか。
ここからは耐熱ガラスの仕組みを解説します。
耐熱ガラスは熱で膨張しないから割れない
耐熱ガラスは熱膨張率が低く、高い温度になっても膨張しにくいガラスです。
一部分だけを熱して温度差ができたとしても、部分的に大きさが変わることはありません。
耐熱ガラスは熱で膨張しないから熱割れしない、温度差に強いガラスと言えます。
耐熱ガラスもゆっくり全体的に熱すると溶けてしまう
普通透明ガラスも、耐熱ガラスでも、ゆっくりと全体を高温にすると、割れずに溶けていきます。
耐熱ガラスは用途や設置場所に合ったものを選ぼう!
ここからは、耐熱ガラスの種類についてご紹介します。
耐熱温度がガラスごとに異なるため、使用する用途や場所によって適切なものを選ぶことが重要です。
強化フロートガラスは物理的な衝撃に強い強化ガラス
物理的な衝撃に強い強化ガラスですが、ある程度の熱も耐えることができます。
耐熱温度は150℃~200℃です。
直火には耐えられないため、火元から離れた場所でなら耐熱ガラスとして使用できます。
コンロ付近への油跳ねを防ぐオイルガードなどにおすすめです。
▼ 強化ガラスについて詳しくはこちらをクリック
【オーダーガラス専門店】強化フロートガラスのオーダーについて
テンパックスフロートは高い透過性のある耐熱ガラス
テンパックスフロートは、高い透過性のある耐熱ガラスです。
耐熱温度は、常用使用だと450℃(長時間使用/10時間以上)です。
最高使用だと500℃(短時間使用/10時間未満)となっています。
強化ガラスよりも耐熱温度が高いものの、直火での使用はおすすめできません。
厚みのバリエーションが豊富なのも特徴で、0.7mm~25.4mmまでの間で多数あります。
自宅の家電に使用するためにテンパックスフロートを使用された事例もあります。
▼ テンパックスフロートについて詳しくはこちらをクリック
ファイアライトは直火での使用にも耐えられる耐熱ガラス
ファイアライトは直火での使用にも耐えられる耐熱ガラスです。
赤茶のような色味があり、耐熱温度は常用使用では750℃、最高使用は800℃です。
ファイアライトは、熱した後に水などをかけても割れません。
耐熱性だけでなく熱衝撃の耐久性を両立させたガラスです。
特定防火設備・防火設備用ガラスであり、火災実験でも使用されています。
一般住宅では、薪ストーブののぞき窓におすすめのガラスです。
▼ ファイアライトについて詳しくはこちらをご覧ください
【オーダーガラス専門店】ファイアライト・ネオセラムのオーダーについて
まとめ|耐熱ガラスの種類と選び方を解説!
最後に熱割れの原因と耐熱ガラスを選ぶポイントもまとめます。
ガラスの熱割れの原因
ガラスは熱伝導率が低い素材です。
部分的に熱が加わると、物質内での温度差が大きくなり、ひずみが発生して熱割れします。
対して耐熱ガラスは、熱が加わり温度差が大きくなったとしても膨張しません。
結果、耐熱ガラスはひずみが生まれないため割れません。
耐熱ガラスを選ぶポイント
耐熱ガラスにも種類があり、それぞれ耐熱温度が異なります。
そのため、使用用途や場所に合わせて選ぶ必要があります。
直火のあたる場所で遣う場合はファイアライトがおすすめです。
また、間仕切りなどはほかの耐熱ガラスを使用する選択肢の幅もあります。
お困りのことがございましたらお気軽にお問合せください。
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