2021年10月28日 ガラスについて

ペアガラスはすぐ割れる?二重窓のガラスの強度や地震・台風対策について解説

こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社では、さまざまなガラスやミラーを取り扱っています。

本記事では、複層ガラス(ペアガラス)の強度について実験を行いました。
実際に複層ガラスに物をぶつけて検証します。

動画でも詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

 

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複層ガラス(ペアガラス)とはどんなガラス?

窓として設置された複層ガラス

複層ガラス(ペアガラス)は、断熱性を高めるために使用されるガラスです。
スペーサーと呼ばれる部材を2枚のガラスで挟み込み、空気層を作ることで断熱性を高める効果が期待できます。
そのため、一般の住宅にもよく使われていています。

ペアガラスはガラスが2枚使われているから強度は高いのか?

ガラスが2枚使われているので、ものがぶつかっても割れにくいのではと思う方も少なくありません。

そこで、実際に複層ガラスにものをぶつける実験を行いました。

※危険ですので絶対に真似はしないでください。

実験に使用するペアガラスはこちら!

今回実験に使うのはこちらの普通透明ガラスと複層ガラスです。

(右)厚み3mmの普通透明ガラス、(左)厚み3mmのガラスを2枚使用した複層ガラス

サイズはどちらも高さ600mm × 幅600mmです。
複層ガラスでのガラスとガラスとの間にある空気層の厚みは6mmです。

ペアガラスのほかに普通のガラスも用意して比較

この他に比較のため、「厚み6mmの普通透明ガラス」、「厚み3mmのガラスを2枚使用した合わせガラス」も同様の大きさで用意しました。

これらのガラスをコーキングせずに四方押縁で固定し、木片を投げつけて実験します。

台風で飛来物が窓にぶつかった場合、どのような状態になるのかシミュレーションします。

ガラスに木片を投げてどのようになるか実験!

台風で飛来物がぶつかったことを想定し、木片をぶつけて実験していきます。

厚み3mmの普通透明ガラスの場合

フロートガラス厚み3mmの場合

まずは厚み3mmの普通透明ガラスから実験していきます。

メーカーの強度計算では、厚み3mmの普通透明ガラスは、3cm角のものが12kgの力で飛んでぶつかると割れるという計算でした。

3mmのフロートガラスは木片をぶつけると割れてしまいました。

メーカーの計算どおり、ガラスはあっけなく割れてしまいました。

厚み3mmのガラスと空気層6mmの複層ガラスの場合

厚み3mmのガラスを使用した複層ガラス

続いてペアガラスの実験です。

メーカーの強度計算では、厚み3mmのガラスと空気層6mmの複層ガラスは、3cm角のものが17kgの力で飛んでぶつかると割れるという結果です。

複層ガラスに木片を投げるとぶつかった方のガラスは割れてしまいました。

2枚あるガラスのうち、直接木片が当たった方のガラス1枚が割れてしまいました。
一気に2枚とも割れてしまうと予想していたので、これは驚きでした。

ガラスを割りたいコダマガラス代表

ペアガラスは1枚でも割れてしまうと断熱性は機能しなくなるので、この場合は「割れた」ということになります。

先ほどの「厚み3mmの普通透明ガラス」の単板よりは強度が上がったように感じますが、それほど違いはなさそうです。

厚み6mmの普通透明ガラスの場合

厚み6mmの普通透明ガラスは3mmと比べて強度があるのか

お次は厚み6mmの普通透明ガラスで同様の実験を行います。

木片をぶつけても何度かは耐えて割れませんでしたが、当たり方によっては割れてしまうようです。

ガラス板の厚みがあればあるほど耐衝撃性が上がる

6mmのフロートガラスに木片をぶつけると何度か耐えたのですが、力加減や当たり方で割れてしまいました

ガラスは板の厚みが分厚くなると耐衝撃強度が上がる傾向にあるようです。

厚み3mmのガラスを2枚使用した合わせガラスの場合

合わせガラスに木片をぶつけるとヒビができました

最後は厚み3mmのガラスを2枚使用した合わせガラスを使っての実験です。

合わせガラスは2枚のガラス板を樹脂で接着したガラスになります。

複層ガラスと似ていますが、合わせガラスはガラスとガラスの間に樹脂があり空気層はありません。

合わせガラスは割れても破片が飛び散りにくい性質がある

合わせガラスは割れても破片が飛散しにくいです。

合わせガラスに木片をぶつけるとヒビが入ってしまいました。
強度的には複層ガラスとそれほど違いがありませんでした。

しかし、樹脂で接着されているためガラスが割れても破片が飛び散りにくく、万が一割れてしまってもけがをしにくいと感じられました。

各種ガラスに木片をぶつけた実験結果

実験の結果を「強度」、「飛散防止」、「価格」、「その他」の4つの観点からまとめます。

ペアガラスの強度について

普通透明ガラスと複層ガラスの強度を比較

強度としては、単板の厚み3mmの普通透明ガラスが最も弱いです。
同じ厚みで構成された複層ガラスや合わせガラスも、それほど強くなった印象は受けませんでした。

実験で使用したペアガラス・合わせガラスは、ガラス1枚自体の厚みは3mmでした。

一方厚み6mmの普通透明ガラスは簡単には割れにくいです。
衝撃に対してガラスの厚みを厚くすることは有効と考えられます。

メーカーの計算結果を元に考えると、風圧のように面的に加わる力に対しては、単板のガラスよりも複層ガラスの方が強くなると考えられます。

ペアガラスの飛散防止効果について

普通透明ガラスも複層ガラスも破片はかなり飛散します

厚み3mmの普通透明ガラス、厚み6mmの普通透明ガラス、複層ガラスについては、割れた際に破片がかなり飛び散りました。

合わせガラスは割れはしたものの、樹脂により飛散が防止されています。
そのため割れても破片が飛びにくく、安全性が高いガラスという結果になりました。

合わせガラスは割れても破片が飛散しにくいです。

こうした飛散防止効果が期待できるという理由から、防災を目的に合わせガラスが採用される場合もあります。

ペアガラスの価格について

ガラスに木片をぶつけた時の実験結果

ガラスのコスト面で考えると、厚み3mmの普通透明ガラスが圧倒的に安いです。

続いて厚み6mmの普通透明ガラス、複層ガラス、合わせガラスの順に値段は上がります。

ペアガラスのその他の要素

複層ガラスのメリットは断熱性があること

合わせガラスについては飛散しないことから防災、樹脂による対貫通性があることから防犯に効果が期待できます。

強度と直接関係はありませんが、複層ガラスには断熱性が上がるというメリットがあります。
断熱性が上がることで、空調費の節約や結露防止など様々な効果が期待できます。

また特殊なコーティングを施したLow-Eガラスを複層ガラスに採用することも一般的になりつつあります。

まとめ|ガラスの断熱性と強度を両立したい場合はガラスの厚みを検討しよう

ガラスの強度と断熱性を両立するにはどうすればいい?

ガラスといってもいろいろな種類や厚みがあり、それぞれ特徴が違うため、用途に合わせて選ぶ必要があります。
実験のように、複層ガラスは比較対象のガラスと厚みが同じ場合に特別強度が高くなるわけではないということがわかりました。

強度としては厚み6mmの普通透明ガラスが良いですが、単板では断熱性は期待できません。
断熱性と強度を両立したい場合は、複層ガラスを構成するガラスの厚みを厚くしたり、合わせガラスとの複層ガラスにしたりする必要があります。

窓は方角や時間帯における日当たりなど、様々な条件で優先事項が変わるため、どれが最適なのか迷う方も多いと思います。
お困りのことがございましたらお気軽に弊社までお問合せ下さい。

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