2021年11月25日 ガラスについて

ガラスの耐荷重は何キロまで?ガラステーブルや棚板のたわみを厚みごとに計測してみた

こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社ではさまざまなガラス・ミラーを取り扱っています。

昨今のDIY人気をきっかけに、ガラス板を使ったDIYにチャレンジする方も多いです。

そんな方に注意していただきたいのが「ガラス板のたわみ」です。

薄いベニヤ板に物を載せると、たわみが起こります。
ガラス板も、板を支える箇所や板の大きさによってたわむことがあります。

 

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ガラス板はたわむ!棚板などに使う際は注意が必要

ガラス板にペットボトルをのせて実験している様子

当実験は、ガラスに一時的な荷重をかけて実験しています。
長時間に渡ってガラスに荷重がかかるなど、実際の使用状況と異なる場合があります。
十分にご注意ください!

ブラケットタイプのガラス棚を想定し、ガラス板に荷重をかける実験

今回は、ブラケット金具を使ったガラス棚を想定します。
木材を2本置きその上にガラス板を載せて2辺支持の状態を再現しました。

この状態で水入りペットボトルを載せ、荷重をかけていきます。

荷重をかけることでガラスがどのように変化していくのか、定規で測りつつ荷重していきます。

厚み5mmのガラスと厚み8mmのガラス。わずか3mmの違いだが実物を見比べると違いは一目瞭然

実験に使うガラスは、厚み5mmと8mmを使用します。

サイズは幅900mm奥行き300mm(600mmピッチ)、幅1200mm奥行き300mm(900mmピッチ)の2種類を用意しました。

実験前の状態を記録して実験開始!

実験前で荷重がない状態ではガラスはたわんでおらず天板との距離は36mmとなっています。

最初に、荷重のかかっていない状態でたわんでいないことを確認します。
荷重がない状態では、ガラスはたわんでおらず天板との距離は36mmです。
机の天板からガラス板まで36mmの距離があることを念頭に置いた上で実験をはじめます。

重量が増える度に距離を計測し、この距離が短くなるとたわみが生じていることになります。

厚み5mmでサイズが幅900mm奥行き300mm(600mmピッチ)のガラスの場合

実験では、たわみは生じたものの、42kgの荷重がかかっても割れませんでした。

42kgの荷重時にはガラスが7mmたわむ結果となり、目に見えてたわんでいる状態でした。

厚み8mmでサイズが幅900mm奥行き300mm(600mmピッチ)のガラスの場合

最初に実験したものと大きさが同じで、厚みが3mm厚くなった8mmのガラスで実験しました。

5mmのガラスでも安定した様子でしたが、8mmではよりたわみが少なくなり、42kgの荷重でたわみは2mmでした。

厚み5mmでサイズが幅1200mm奥行き300mm(900mmピッチ)のガラスの場合

続いては先ほどのガラスよりも幅を大きく取った、幅1200mm×奥行き300mm、厚み5mmのガラスで実験します。

幅が出た分、ピッチが900mmとなっています。

20kgの荷重で既にたわみが14mmになり、いつ割れてもおかしくないという状態に。

荷重を続行し、28kgの荷重でガラスが破損してしまいました。

最終的に計測できたのは24kg時のたわみが16mmという結果になりました。

厚み6mmでサイズが幅1200mm奥行き300mm(900mmピッチ)のガラスの場合

厚みが1mm違うだけでこんなにもたわみ方が違います

厚さ6mm、サイズが幅1200mm奥行き300mmのガラスでも実験を行います。

わずかな厚みの差でも、たわみやすさにかなりの違いがでることがわかりました。

厚み6mmで1200mm×300mmのガラスのたわみを計測実験

同じサイズで厚みが5mmのときは24kg時点で16mmのたわみが出ていました。
しかしこちらは、32kgまで荷重してもたわみは11mmでした。

その後も荷重を続け40kg時点でガラスが破損しましたが、5mmのガラスと比べて大健闘の結果となりました。

厚み8mmでサイズが幅1200mm奥行き300mm(900mmピッチ)のガラスの場合

大トリは今回の実験で一番の大きさ、厚み8mmでサイズが幅1200mm奥行き300mmのガラスです。

32kgの荷重でもたわみは4mm程度となり、かなり安心感があります。

途中で水入りペットボトルの積み上げが崩壊するハプニングが

あまりにも安定しているためどんどん水入りペットボトルを積み上げましたが、途中崩壊するハプニングが起こりました。

それでもガラスは割れず、またペットボトルを積みなおして実験を続行しました。

用意していた全てのペットボトルを積み上げ、これ以上荷重できない状況となった時点で実験を終了しました。

46kgの荷重でたわみ5mmという結果になりました。

ガラスの厚みがあると、たわみは出にくくなることがわかります。

厚み8mmのガラスにこれまでに最も重い荷重をかけてもたわみは5mmでした。

ガラス棚の安全荷重と目安となるたわみについて

ガラス棚を想定したガラスに荷重をかけていき、何キロ時点でどの程度たわむのかを計測してきました。

ここからは、どの程度の重量を超えると危険なのか、どの程度たわむと破損の恐れがあるのか解説します。

ガラス棚の安全荷重はどの程度?

ガラス棚用の金具の安全荷重は破壊荷重の20%とのこと

ガラス棚に使用するブラケット金具の安全荷重は、
2本使用で破壊荷重の20%の17kgとされています。

ガラスもブラケットと同様に破壊荷重の20%を安全荷重とします。

厚み5mmの幅1200mm幅300mmのガラスは24~28kgが破壊荷重なので、安全荷重は5kg
厚み6mmの幅1200mm幅300mmのガラスは40kgが破壊荷重なので、安全荷重は8kgとなります。

荷重とたわみの相関性から、どの程度たわむと破損の恐れがあるのかを算出

安全荷重とたわみの相関性について解説

安全荷重がわかっても、ガラス棚にどの程度荷重がかかっているのかを都度測るのは大変です。

たわみとの相関性から、安全荷重がかかった際のたわみを算出することで、
ガラス棚を安全に使える目安にすることができます。

  • 厚み5mmのガラスの安全荷重は約5kgの為たわみは4mmまで
  • 厚み6mmのガラスの場合は安全荷重が約8kgの為たわみは3mmまで
  • 厚みが8mmのガラスの場合は安全荷重が約20kgの為たわみは2mmまで

という計算結果になりました。

※ガラスサイズが1200mm×300mmの場合で算出しています

ガラス棚を使用中、これらのたわみが出た際は荷重がかかりすぎている可能性があります。
その際は、載せる量を減らすなど使用状態を見直してください。

また、今回の実験で使用したガラスを棚として安全に使用できる目安は上記のとおりです。

まとめ

棚に載ってる物の総重量は計測しにくい

ガラス棚はちょっと物を載ただけでも割れそうで怖い…というイメージがありました。
しかし、適切な厚みでガラスサイズを選び、重量に気をつければ安全に使用できるということがわかりました。

重量を都度計測するのが難しい場合は、重量ではなく、たわみの方を参考にしてください。

それでもやっぱり心配…という方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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