ガラスの歴史 第1章~ガラスの製造開始~
皆様、ガラスのお勉強のお時間になりました。
ガラス屋で働き始めて丸2年、何故か疑問にも思わなかった『ガラスって何?どこから来たの?』
どうも、こんにちは コダマガラス キャンベルです。
意外とガラス屋も知らないガラスの歴史をまとめてみました↓
プロローグ
『ガラス』又は『硝子』は、古称として『玻璃』や『瑠璃』とも呼ばれているもので、私達の生活に重要なものとなっています。
しかし、『ガラス』とは何なのでしょうか?いつから使われているものなのでしょうか?
そもそも、非晶質固体のものを『ガラス』と呼びます。硬い状態でないものはガラスとは呼ばないんですね。
結晶と同程度の大きな剛性なものです。しかし結晶ではなく、粘度が極端に高い状態のもので、液体でも固体でもないとも言われています。
そんな『ガラス』と言う、唯一無二の存在のものがいつ頃から人と密接に関わって来たのか?ご紹介したいと思います。
ガラスの先祖
ガラスが出来たのは紀元前4000年前。古代メソポタミアで作られたガラスビーズが起源とされています。
しかし、それより前にガラスが人間に使用されていました。それが『黒曜石』という物質で天然ガラスと呼ばれています。
黒曜石は火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったもので、旧石器時代から縄文時代を通じ、弥生時代に鉄が伝わるまでさまざまな道具の主要な材料として使用されていました。
例えば、石包丁や矢じりとして使われ、狩猟用だけでなく、動物の皮をなめすなど、加工用のツールとしても用いられました。
青銅器が発明されるまで最も鋭利な物質として重宝されていました。
青銅器が発明されなかった文明や、発明されても装飾品としての利用にとどまったメソアメリカ文明やインカ文明においては、黒曜石は刃物の材料として重要であり続け、黒曜石を挟んだ木剣や石槍が武装の中心でした。
現在のガラスの使い方と違い、武器や刀としてガラスは使用されていたのです。
ガラスの製造開始
ガラスの起源となる古代メソポタミアで製造されていたガラスビーズは、二酸化ケイ素(シリカ)の表面を融かして作製したもので、当時はガラスそれ自体を材料として用いていたのではなく、
陶磁器などの製造と関連しながら用いられていたと考えられています。
原料の砂に混じった金属不純物などのために不透明で青緑色に着色したものが多数発見されています。
その後、古代ガラスが砂、珪石、ソーダ灰、石灰などの原料を摂氏1,200度以上の高温で溶融し、冷却・固化するというプロセスで製造されるようになりました。
ガラス製造には大量の燃料が必要なため、ガラス工房は森に置かれ、燃料を木に頼っていました。
その為、その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探すというように、ガラス工房は各地の森を転々と移動してました。
ガラス工場が定在するようになったのは石炭と石油が利用されるようになってからになります。
エジプトや西アジアでは紀元前2000年代までに、一部の植物灰や天然炭酸ソーダとともにシリカを熱すると融点が下がることが明らかになり、
これを利用して焼結ではなく溶融によるガラスの加工が可能にりました。
これが鋳造ガラスの始まりででした。
紀元前1550年ごろにはエジプトで粘土の型に流し込んで器を作るコア法によって最初のガラスの器が作られ、特にエジプトでは様々な技法の作品が作製され、西アジアへ製法が広まりました。
古代ガラスの主な製造方法は、『コア法』と『鋳造法』でした。
古代ローマ時代には、鋳造法で作られた板状ガラスが建物の窓に使われていたといわれており、 窓用板ガラスの誕生でした。板ガラスといっても、厚く、完全に透明なものではなかったが、
建物の開口部にガラスをとりいれようとする試みは、この時代から始まっていたようです。
キャンベル独断のまとめ
ガラスがそもそも透明ではなかったことに驚きましたよね。
森の木を燃やし尽くすってどんだけ~っ昔だから出来る荒業なんでしょうか?
因みに、天然ガラスはネットでも販売しておりますので、是非検索してみてください!
コダマガラスでは販売してませんが…
では、次回『ガラスの歴史 第二章』をお楽しみに!