フロストガラスとは?すりガラスや型板ガラスとの違いや特徴を解説します
弊社ではさまざまなガラス・ミラーを取り扱っています。
その中でもすりガラス・フロストガラスなど曇りガラスの違いが分かりづらい方が多いと思います。
「すりガラスとはどんなガラス?」
「フロストガラスや型板ガラスと何が違うの?」
「曇りガラスってどういう特徴があるの?」
すりガラスとフロストガラス。さらに型板ガラスは、それぞれ別の特徴を持つくもりガラスです。
どんな違いがあるのかよくわからず、購入を悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではよく似た3種類のガラスについて、見分け方や違いを比較・検証して解説します。
詳しく紹介している動画もありますので、ぜひ購入の参考にしてください。
- すりガラスの違いを知りたい人
- すりガラスの選び方で悩んでいる人
- ガラスの見え方や質感、透け感について動画でじっくり見たい人
にオススメの記事です。
もくじ
- すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの違いは表面の質感や厚み
- すりガラスの表面はザラザラ!厚みの種類が豊富にある昭和レトロなガラス
- フロストガラスの表面はサラサラ!厚みのレパートリーも多く使いやすいガラス
- 型板ガラスの表面はちょっとデコボコ!透明度が高く厚みの種類は少なめ
- すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの見え方や光の透過、汚れ落ちを比較
- すりガラス・フロストガラス・型板ガラスのお手入れやメンテナンスの違い
- すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの価格の違い!一番安いのは型板ガラス
- すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの使用場所や用途の違い!
- まとめ:すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの違いについて動画で解説
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの違いは表面の質感や厚み
曇りガラス(くもりガラス)とは、すりガラス・フロストガラスなどの不透明なガラスの総称。
外部からの視線を遮り、光を拡散しながら採り入れられる特徴があり、それぞれ見た目はとてもよく似ていますが作り方や質感が異なります。
使用用途や取り入れる場所に応じて、それぞれの特徴を確認しながらガラスを選んでみてくださいね。
すりガラスの表面はザラザラ!厚みの種類が豊富にある昭和レトロなガラス
すりガラスとは、一般的なガラスの表面に砂などを吹き付け不透明にするサンドブラスト加工をしたもの。
細かい凹凸がつき、加工した面はザラザラとした質感になります。
このザラザラとした加工により高い目隠し効果がありながらも、通る光を拡散する効果もあります。
薄い乳白色をしており、やわらかな採光ができるのも魅力的なガラスです。
すりガラスの厚み一覧 |
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2mm,3mm,4mm,5mm,6mm, 8mm,10mm,12mm,15mm,19mm |
すりガラスの主な使用用途 |
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明かり窓、間接照明のカバー、障子ガラス、家具の扉ガラス、トレース台の天板など |
すりガラスの特徴や気をつけたい点
- 水に濡れると透けてしまう
- 質感により汚れが落ちにくい
すりガラスは、水にぬれると透けてしまいます。
なぜかというと、ガラスの表面に水の膜ができ細かな凹凸を覆ってしまうから。
すりガラスは加工によりザラザラとした凹凸があるため、汚れが落ちにくい特徴もあります。
お手入れしづらい点を考慮して取り入れたいガラスですね。
厚み3mm以上は強化加工も可能です!
フロストガラスの表面はサラサラ!厚みのレパートリーも多く使いやすいガラス
フロストガラスは、すりガラスの加工面を処理しなめらかにしたガラスで「タペストリーガラス」とも呼ばれています。
すりガラスの加工面はザラザラですが、フロストガラスの加工面はサラサラとした質感です。
フロストガラスの厚み一覧 |
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3mm,4mm,5mm,6mm,8mm, 10mm,12mm,15mm,19mm |
フロストガラスの主な使用用途 |
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パーテーション、テーブルトップガラス、ディスプレーの天板、建具や窓ガラスなど |
フロストガラスの特徴
すりガラスの半透明感や、光をやわらかく採り入れる特徴を残しているのがフロストガラス。
表面にフッ酸加工が施されているため、水に濡れても透けず汚れがつきにくくなっています。
他の曇りガラスと比較してコストは高めですが、デザイン家具にも利用されています。
強化加工も可能です。
型板ガラスの表面はちょっとデコボコ!透明度が高く厚みの種類は少なめ
型板(かたいた)ガラスとは、ロール状の加工機で表面に凹凸をつけたものです。
デザインガラスとも呼ばれ、凸凹だけでなく、型模様をつけることもできます。
このページでは、型板ガラス:霞(かすみ)をご紹介しています。
型板ガラスの厚み一覧 |
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4mm,6mm |
型板ガラスの主な使用用途 |
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窓ガラス・玄関ドア・間仕切りドア・浴室・洗面所・家具・建具など |
型板ガラスの特徴
視線を遮りながら光を通しますが、乳白色よりは透明に近い風合いです。
デザインによりますが凸凹が大きく、汚れも比較的落ちやすくなっています。
昭和後期から取り入れられ、さまざまな用途で使用されています。
海外から輸入されているデザイン型板ガラスも多くあります。
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの見え方や光の透過、汚れ落ちを比較
すりガラス・フロストガラス、型板ガラスには以下のような特徴があります。
- すりガラス:ザラザラが均一、表面もザラザラ
- フロストガラス:ザラザラが均一、表面はサラサラ
- 型板ガラス(霞):ミカンの皮のような凹凸がある
不透明な曇りガラスは、近づければシルエットは見えやすくなり、離せば見えにくくなります。
ガラスの種類・状態によって透け感が大きく異なりますので、ガラスの特徴や違いについても解説します。
すりガラスが一番ぼやけて見えにくい!ガラスとの距離で見えにくさが変わる
すりガラスは透明度の低いガラスです。
手を伸ばして離すだけで、シルエットがぼやけていることがわかります。
色もぼんやりと透けているだけなので、視界をさえぎるには十分と言えますね。
フロストガラスもすりガラスと同じく、シルエットはほとんどわかりません。
色も薄ぼんやりとわかる程度です。
フロストガラスも目隠し効果が高いと言えるでしょう。
型板ガラス:霞は、シルエットや色がしっかりと確認できます。
3枚の中ではいちばん透明度が高いと言えるガラスですね。
表面の凸凹で光が屈折し、対象物がぼやけて透かされています。
完全な目隠し効果はありませんが、採光したい箇所に活用できます。
ガラスの面によって見えにくさが変わる!ツル面とザラ面を密着させてみました
ガラスを対象物と密着させた時は、面によって見え方が異なります。
ガラスにも表裏があり、加工面はザラつき、裏面はツルツルしています。
対象物とツルツル面(透明の面)を密着させると見えにくくなります。
一方、ザラザラ面(凸凹の加工がある面)を密着させると見えやすくなりました。
ツルっとした加工がされていない面を密着させた結果は…
- すりガラス:かなりぼやけて見える
- フロストガラス:うっすら読めるくらいに見える
- 型板ガラス:モザイク状になってほとんど読めない
ザラザラとした加工がされている面を密着させた結果は…
- すりガラス:ほんの少し曇っているがはっきりと見える
- フロストガラス:ほとんど透明ではっきりと見える
- 型板ガラス:ザラザラとした質感だが見える
ガラスによって見え方が違うことがわかりました!!
ガラスに液体をかけると見え方が変わる!すりガラスは透明になってしまう
それぞれのガラスに水をかけてみました。
三枚のうち、すりガラスだけは透明になってしまいます。
透明になった理由は、「水によって、凸凹加工による光の屈折が弱まってしまう」ためです。
目隠し効果の高いすりガラスですが、水回りには向いていないと言えますね。
一方で、表面をなめらかに処理したフロストガラスの見え方はほぼ変わりません。
凸凹加工が大きめの型板ガラスも、透明度はほとんど変わりませんでした。
ガラスを光に透かした時の見え方は光が均等に拡散されるかどうかで変わる
どのくもりガラスにも、光を透過・拡散させる効果があります。
- すりガラスは細かな凹凸加工がされているので、均一に光を採り入れる
- フロストガラスとすりガラスは光の採り入れ方に違いがある
- 透明度が固めの型板ガラスは光の拡散が弱い
光を拡散するキメの細やかさは、表面のキメの細やかさと比例します。
すりガラスは光が均等に拡散されて優しい光となり、型板ガラスは透け感が大きくなります。
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスのお手入れやメンテナンスの違い
曇りガラスは製造方法により、まったく違う特徴があるため、日々のお掃除やお手入れに違いがあらわれます。
使いどころによってはお手入れが大変になるガラスもあるので、気をつけて選ぶようにしましょう。
こちらの記事では、油分(マヨネーズ)と油性マジックペンを使って、汚れの落ち具合を検証します。
油分をつけた時落ちやすいのは型板ガラス!落ちにくいのはすりガラス
- 型板ガラス霞:比較的すぐにきれいになりました。
- フロストガラス:少し時間をかけて掃除すれば、汚れを落とすことはできました。
- すりガラス:どれだけ拭き取っても、完全にきれいにはなりませんでした。
3種類のなかで、すりガラスは最も油汚れが取れにくく、最後まできれいになりませんでした。
一方で、いちばん汚れが落ちやすかったのは型板ガラス。
フロストガラスは少し時間はかかるものの、油汚れを落とすことはできました。
油性マジックペンをつけた時も落ちやすいのは型板ガラス
- 型板ガラス霞:汎用ガラスクリーナーで、ほとんど汚れを落とせました。
- フロストガラス:汎用ガラスクリーナーでは汚れが残り、強力クリーナーなら汚れを落とせました。
- すりガラス:どのクリーナーでも、汚れは落ちにくいままでした。
残念ながら、すりガラスの汚れはきれいになりませんでした。
細かい凹凸に汚れが入り込んでしまい、掃除用のクリーナーも詰まってしまいます。
手垢や指紋も残りやすいので、取り入れる場所には注意が必要です。
一方で、型板ガラス・フロストガラスは日々のメンテナンスでも十分お掃除できそうです。
ただし、ホコリや汚れをそのままにしていると焼き付いてしまいます。窓拭きやお手入れといった、日々のメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの価格の違い!一番安いのは型板ガラス
3種類の曇りガラスの中で、いちばん安価なのは「型板ガラス」。
加工工程の多いフロストガラスは、比較的高価なものが多めです。
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの使用場所や用途の違い!
曇りガラスはコストをはじめ、光の採り入れ方や汚れのつきやすさなどの違いがあります。
より適した場所にお使いいただくのがおすすめですので、
すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの使用ポイントを紹介します。
すりガラスは和室の障子などにおすすめ
和室の障子ガラスは厚さ2mmのものが多く、すりガラスがよく使われます。
模様の描かれたすりガラスはレトロな印象もあり、お部屋の雰囲気をパッとに変えてくれます。
※なお、フロストガラスは厚さ3mm~です。
フロストガラスは間仕切りや目隠しスクリーンなどにおすすめ
店舗やオフィスのパーテーションには、汚れがつきにくいフロストガラスがおすすめ。
窓ガラスをはじめ、テーブルトップやガラス棚など、使い勝手の良さが大きなポイントです。
型板ガラスは水場や室内窓にもおすすめ
型板ガラスはアルミサッシの窓ガラスをはじめ、室内建具に使われることも多め。
比較的汚れが落としやすく水に濡れても透けないので、水場でよく活用されます。
またどのガラスも間接照明のカバーとして使えますが、乳白フィルムを貼る方法をおすすめしています。
乳白フィルムについては、下記記事でも紹介しています。
参考:「すりガラス調フィルム」と「乳白フィルム」の違いとは?
まとめ:すりガラス・フロストガラス・型板ガラスの違いについて動画で解説
3種類の曇りガラスについて、それぞれの特徴や違いを紹介しました。
それぞれのガラスの特長を活かせるような選び方がおすすめです。
こちらの記事の中で紹介したことは、下記のYouTube動画でより詳しく解説しています。
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