ガラスの欠けを防ぐ仮置きの方法とは?ガラスを破損させない保管方法やポイントを解説
こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社では、さまざまなガラスやミラーを取り扱っています。
ガラスやミラーを床に置く際、欠けてしまうことがあります。
本記事では、ガラスの仮置きについて、その対策を解説します。
動画でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
また、下記のページではガラスとぶつかって欠けやすい素材を紹介しています。
▶ 【実証】簡単に欠ける!ガラスの天敵はこの素材についてのページを見る
※2024年4月より、エアパッキンを「巻き段ボール(片面段ボール)」へ変更しております。
もくじ
ガラスはどうすれば割れない?建築現場では「厘木」を使用する
ガラスを仮置きするとき、建築現場では「厘木(りんぎ)」と呼ばれる道具を使っています。
この厘木は、ガラス屋さん必携の道具の一つです。
弊社で使っている厘木は角材にタイルカーペットを貼り付けたものです。
かなり年季の入った厘木ですが、サイズの違う厘木を使い分けています。
120mm角ほどの大きいサイズの厘木
頼りになるサイズ感の厘木です。
角材なので重量があり安定します。
高さがある分、ガラスを置いて持ち上げるときに下から手を入れやすいです。
厚みが30mm~50mm程度で断面寸法が横長の厘木
厚みのある本のような形状の厘木です。
テープが巻きつけられていますが、上記の120㎜角の厘木と同様にタイルカーペットが貼り付けられています。
角材の厘木と比べて軽いので、簡単に位置を微調整できます。
ガラスの欠けを防ぐ厘木の基本の置き方
ガラスの欠けを防ぐ厘木の置き方を解説します。
厘木は、基本的にガラスの両端の位置に置いて使用します。
厘木を置く床は必ずしもまっすぐではありません。
傾斜がある場合や凸凹している場合があり、ガラスを安定した状態で置けない場合があります。
そのため、2本の厘木をガラスの両端に置いて使用します。
ガラスを置くときは要注意!どうしても角が当たってしまう時の対策方法
ガラスが床と並行かどうかは、持ち上げて運んでいるとわかりにくいです。
作業者の目線でも、本当にガラスが床と並行かどうかわかりません。
扱いに慣れている作業員でも、平行には持てていませんでした。
ガラスを置くときも斜めの状態のまま降ろすことになるので、どちらかの角が最初に床に当たります。
ガラスの角の接触は防ぎようがなく、破損の原因になりやすいです。
そこで厘木を使うなど、角が当たったとしても破損させない工夫が必要です。
厘木を使用していても、ガラスの角が床に当たらないよう注意は必要です。
厘木をガラスの中心付近に配置して仮置きすると、厘木に置く前にガラスの角をぶつけてしまうことがあります。
厘木を使うときは、ガラスの両端に配置しましょう。
この他にも、ガラスを欠けさせてしまう失敗例を紹介いたします。
ガラスを欠けさせる失敗例1:エアパッキンを巻いているから大丈夫?
エアパッキンは丈夫ですが、ガラスに関しては包まれた状態でも、欠けやヒビが入ってしまいます。
隙間のない段ボールに入った梱包状態時は頼もしい存在ですが、硬い床に当たると欠けます。
エアパッキンの柔らかさではガラスを硬い床から守ることはできません。
ガラスを欠けさせる失敗例2:段ボールの上だから大丈夫?
開梱したときの段ボールの上であれば、ガラスは仮置きできそうです。
ほぼ平行の状態であれば仮置きできるのですが、問題はガラスの角が当たったときです。
ガラスの角が段ボールを貫通して石材に当たり破損してしまいました。
大きく重量のあるガラスを置いたときはひとたまりもありません。
重さで角が沈み床に当たり破損するケースもあり得ます。
無事に仮置きしたとしても、持ち上げたときに斜めになってしまいます。
重さで沈みこんで角が床に当たり破損、ということもよくあります。
段ボールはガラスの養生としてはおすすめできません。
ガラスを欠けさせる失敗例3:そっと置けば大丈夫?
ガラスも、優しくそっと置けば大丈夫と思いがちです。
しかし、これはガラスにとっては最もよくない仮置き方法です。
ガラスのサイズが小さく、重量が軽いガラスであれば大丈夫なこともあります。
しかし、ガラスは硬いものの床にそっと置いたとしても欠けてしまいます。
動画内でもガラスを石材の上に置いたところ、わずかながら欠けました。
ガラスは、必ず養生の上に仮置きするようにしてください。
ガラスを欠けさせる失敗例4:養生テープはガラスの養生になる?
薄い養生テープではガラスを守ることはできません。
弊社では、テープを使った養生を施すときはビニールテープを用います。
どうしても養生テープがないときは、テープを3枚重ねれば、強く当たっても欠けを防止できます。
ガラスを欠けさせる失敗例5:ガラスの角さえ養生すれば大丈夫?
ガラスやガラスミラーを床のタイルの上に設置する場合があります。
このとき、ガラスの角にビニールテープなどを貼って養生することがあります。
タイルは製造上の個体差や、貼り付けたときの微妙な高さの違いなどで、段差ができていることがあります。
このときにタイルの段差の角がガラスの端に当たると欠けてしまいます。
段差のある場所で設置作業をするときは、ガラスの端全体をテープで養生すれば、破損による失敗は少ないです。
ガラスを欠けさせる失敗例6:石膏ボードは厚みがあるから大丈夫?
石膏ボードとは石膏を主原料にして作られた「石膏プラスター」を板状にしたものです。
面の衝撃に強く、点の衝撃には弱いという弱点があります。
そのため、ガラスの角を置くと貫通する可能性があります。
石膏ボードを貫通し、床などに直接当たってガラスが破損してしまうことがあります。
石膏ボードも養生としてはおすすめできません。
ガラスを欠けさせる失敗例のまとめ
ガラスは、まっすぐ床と並行に置こうとしても、どうしても斜めになります。
このときにガラスの角が床に当たり、欠けや割れが出てしまいます。
仮置き場所の床材にも気を配り、ガラスの角が当たったとしても破損しないように注意しましょう。
ガラスを仮置きするとき特に注意すべき床材
表面が硬く、厚みがあり、質量が大きいものは、ガラスの角を欠けさせてしまいます。
こうした天敵にガラスをぶつけて実験した動画もあわせて参考にしてください。
まとめ|ガラスを置く際は必ず養生を用意する
ガラスを床に置くときは、厘木などの養生を置くようにしてください。
キズの付きやすい木材や床材の材質によっては、厘木やベニヤなどを置くだけでキズがつきます。
床材に合わせて、臨機応変に養生するようにしてください。
身近なものとしては、週刊誌のように厚みのある雑誌などでも代用できます。
ちなみに弊社のおすすめは「タイルカーペット」です。