これは熱割れ?割れの原因の見分け方を解説

熱い飲み物をガラスのコップに注いだらコップが割れてしまった…という経験はありませんか?
これはガラスに温度差が生じて割れが発生する「熱割れ」という現象です。
窓ガラスやテーブルのガラス天板、ガラスパーテーションなどコップ以外のガラスでも起こります。
メーカーの資料によればガラス板が熱割れしたときは
「エッジ(端)から直角に割れ始める」という特徴的な割れ方になる
とのことでした。
割れ方に独特の特徴があるのであれば
割れたその時その場に居なくても割れ方を見ればガラスが割れた原因を推測できるということになりますね。
本当にそのような特徴的な割れ方になるのでしょうか?
熱割れが起こりやすい、金属ワイヤーが入った網入りガラスや線入りガラスを用意して実際に熱割れを起こして検証してみました。
「熱割れが一体何なのか見てみたい」
「ガラスが割れた原因を知りたい」
「なぜ網入りガラスが熱割れしやすいのか調べている」
という方はぜひご一読ください。
実験の様子はYouTube動画でもご覧いただけます。
熱割れしたときの音もご傾聴ください!
もくじ
そもそも熱割れとはどういう現象?

物質が温まると体積や長さが大きくなる「熱膨張」が起こります。
ガラスも例外ではなく温まると膨張するのですが熱が全体に伝わりにくい素材であるため部分的に温まって膨張してしまうことがあります。
すると冷たく元の大きさのままの部分と熱くなって膨張する部分がガラス内に発生します。
このひずみで割れてしまう現象が「熱割れ」です。
熱割れを起こして割れ方を確認

熱割れの割れ方には特徴があるとのことで、実際に熱割れを起こして確かめてみました。
2月の午前中に電気ヒーターをガラスのすぐ傍に置き、ガラスを温めたところ次々とガラスが割れました。
※危険ですので絶対に真似はしないでください。

割れたガラスのヒビの入り方を観察したところ、メーカー資料の通り次のような特徴がありました。
割れ始めは端から直角
熱割れしたガラスの割れはガラスのエッジ(端)から直角に始まりました。
金属ワイヤー付近から割れることが多かったですが、ガラス部分でも割れが発生していました。

直角に割れた後はくねくねと蛇行するようにヒビが進んでいました。
割れ始めが直角になるのは、エッジ(端)から直角の向きがひずみの力が一番逃げやすい方向であるためです。
試しに段ボールの中央部分を強く押してみたところ、折れ線が直角に入りました。
斜めに折れ線を作ろうと思うと力のかけ方を工夫する必要がありました。
何か力が加わったときには直角の方向が力が逃げやすいので、ガラスが熱割れしたときにも直角に割れ始めるという事になります。
ヒビ割れの本数について

また、今回熱割れの実験を行ったところヒビ割れの本数にも熱割れ独特の特徴がありました。
ヒビが1本のみのときもあれば、2本以上に枝分かれすることもありました。
メーカーの資料によれば、これはガラス内部に発生した温度差の程度の違いによるものという事でした。
温度差が比較的小さい場合には1本のヒビが入る「非分岐破壊」
温度差が比較的大きい場合は2本以上のヒビが入る「分岐破壊」
になるとのことでした。
ヒビの本数を見ることで、温度差の大小を推測できるということですね。

今回の実験ではヒビが2本以上になる「分岐破壊」がほとんどでした。
ヒーターをガラスの傍に置いたので、やっぱり温度差が大きくなっていたようです。
端を磨き加工した網入りガラスが1本ヒビの非分岐破壊となりましたが、メーカーからは熱割れのしやすさと磨き加工の有無に因果関係はないとの回答がありました。
窓ガラスに熱割れが起こる仕組み

そもそも窓ガラスの熱割れはなぜ起こるのでしょうか。
それはガラス中央部分とサッシ部分とで温度差が出やすいためです。
窓ガラスはサッシの内部に少し入り込んで納まっています。
ガラスが露出している中央部分は日差しが直接当たるのですが、サッシで隠れている部分は日陰の状態になります。
中央部分は温まり熱による膨張が発生しやすいのに対し、サッシ部分は冷えたままなので大きさが変わらないです。
こうしてガラス内にひずみが生じて割れるというのが窓ガラスの熱割れによくあるケースです。
網入りガラスが熱割れしやすい理由

ガラスの熱割れは、ガラス内の温度差によって発生します。
網入りのガラスや線入りガラスは、ガラスの中に熱膨張率の高い金属ワイヤーが入っています。
そのため熱の伝わり方に差ができやすい構造になっていて、局所的な温度差やひずみが発生しやすいです。
これが網入りのガラスや線入りガラスは普通透明ガラスよりも熱割れのリスクが高いといわれる理由です。
熱割れしやすい時期や時間帯

熱割れしやすいガラスについて説明しましたが、実は熱割れが起こりやすい時期も存在します。
一般的に熱割れは冬の朝に起こりやすいと言われています。
寒い冬の夜に冷え切った窓ガラスが、朝になり暖房や日差しで温まりやすい一方で、サッシに納まった端部は冷えたままになりガラス内で温度差が生じやすいためです。
今回の実験は、2月の午前中に行い熱割れを観測することができました。
気温が少し上がった午後には熱割れが起こりにくかったです。
しかし、近年では夏にも熱割れが起こりやすくなっているようです。
強烈な日差しによる熱や、高い外気温と冷房を効かせた室内との温度差など、暑さで「ガラス内の局所的な温度差」が起こりやすくなっているためと考えられます。
割れ方を見ることでガラスが割れた原因をある程度見極められる

実験の結果、熱割れしたガラスには「端から直角に割れる」という特徴がしっかり見られました。
メーカー資料の通りの特徴的な割れ方で、この割れ方をしている場合は熱によってガラスが割れたと考えて良いと思います。
以下に熱による割れ方と、衝撃による割れ方の特徴をまとめました。
ガラスが割れた原因の見当をつけたい場合にご参考いただければ幸いです。
熱割れの割れ方
熱割れの場合割れ始めはエッジ(端)から数センチ直角に入り、以降はくねくねと蛇行して進んでいました。
今回の実験では金属のワイヤー付近から割れ始めることが多かったですが、ガラス部分で割れ始めていることもありました。
衝撃による割れ方

何かがぶつかる衝撃による割れの場合は、衝撃があった所を起点に放射状にヒビが広がっていくことが多いです。
網入りガラスをハンマーで割った際には、ハンマーを当てた箇所から割れてヒビは放射状になりました。
また過去には模様のあるデザインガラスや模様のない普通のガラスを用意して物をぶつけて割る実験を行いましたが、どれも放射状に割れていました。
ガラスの割れ替えもお気軽にご相談ください

実験で熱割れした窓ガラスはスタッフによって割れ替えいたしました。
ヒビが入っていると見栄えが悪く、防犯面でも心配な気持ちになるので、新しいガラスになり気持ちも明るくなりました。
弊社では割れ替えでガラスをお求めの方からのご注文や施工依頼も承っております。
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