2022年2月8日 ガラスについて

下の押さえ縁だけが外れる場合のガラスの納め方とガラス寸法の出し方

こんにちは!株式会社コダマガラスの児玉です。
弊社では、さまざまなガラスやミラーを取り扱っています。

ガラスを四方枠にはめ込む際、さまざまな固定方法があります。
また、押縁の仕様によりガラスの納め方や寸法の決め方は異なります。

押さえ縁が外れる場所によってガラスの納め方とガラス寸法の決め方が違うということは、以前のブログ記事「上の押さえ縁だけが外れる場合」でも解説しました。

当記事では「下の押さえ縁だけが外れる場合」のガラスの納め方とガラス寸法の出し方について解説します。

以前の記事とあわせ、枠にガラスを納める場合の参考にしてください。

なお、記事内での縁は四方に溝があり、溝の深さはすべて15mmとした時のものです。

下の押さえ縁だけが外れる場合のガラスの納め方

まずはガラスの納め方を解説します。

下の押さえ縁だけが外れる四方枠の場合は、最初に押さえ縁を外し、縦の溝に差し込みます。
次に、奥まで差し込んだ状態から反対側の縦の溝に戻すように差し込みます。

やり送りをしたあとガラスの高さを調整する

下の押さえ縁を取り外してガラスをやり送った後セッティングブロックを差し込みます。

やり送り(差し込んで戻すこと)をしたあと、上溝に持ち上げて差し込みます。
このときセッティングブロックをガラスの下に置き、上下ともに枠にかかるよう、ガラスの高さを調整します。

下の押さえ縁を取り付ければガラスが納まる

セッティングブロックを入れたあとは押さえ縁を取り付ければ設置完了です。

その後、下の押さえ縁を取り付ければ設置完了です。

上の押さえ縁だけが外れる場合と比較すると、下の押さえ縁だけが外れる場合はガラスをやり送りして後からセッティングブロックを置くため、高さの調節はしやすいです。

下の押さえ縁だけが外れる場合のガラス寸法の出し方

ガラス寸法を考えるにあたり、納め方を念頭に置く必要があります。

下の押さえ縁だけが外れる場合は、ガラスをやり送った後に上溝へ持ち上げて納める点がポイントです。

ガラスの高さの寸法の出し方

下の押さえ縁だけが外れる場合のガラス高さ寸法の考え方

ガラスの高さの寸法は、やり送りをするために縦の溝に差し込むことができる大きさにします。

下の押さえ縁を外した枠の内側から、上の溝の内側までの寸法よりも数ミリ小さくすることで、適した高さ寸法になります。

どの程度小さくするかについては通常であれば2~3mm小さくすることが多いです。

また、アルミサッシなどの場合はもう少し大きめにマイナスすることもあります。

ガラスの高さの寸法の具体的な計算方法

溝の深さが上下ともに15mm、内寸が1000mmとして考えてみましょう。

溝の深さと内寸を合計すると1015mmです。
しかし、1015mmのところに1015mmのガラスは入れることができません。

3mm小さくした1012mmが納まるガラスの高さ寸法となります。

セッティングブロックの考え方

溝の深さが上下ともに15mm、内寸が1000mmのときのガラスの高さ寸法は1012mmと算出できました。

縦溝に差し込むことができる高さ寸法ではあるものの、上溝まで3mmの隙間ができてしまうので、このままでは上の枠には引っ掛かりません。

ガラスが上の枠にもかかるようにセッティングブロックで調整する

そこで、下にセッティングブロックを置いてガラスが上の枠にもかかるように調整をします。

ガラスサイズが1012mmに対して内寸が1000mmとなるため、かかりしろにできるのは12mmになります。

かかりしろは上下に割り振って6mmずつ、上が7mm下5mmなど、セッティングブロックで調整して納めましょう。

ガラスの幅寸法の出し方

下の押さえ縁だけが外れる場合のガラスの幅寸法の考え方

ガラスの幅寸法は、縦の溝に差し込んだあと、反対側の縦溝に戻し入れることができる大きさにします。

差し込む溝の深さとガラス溝の内寸を足したものから数ミリ引くと適切な幅寸法を算出できます。

サイズは2~3mm小さくすることが多いです。

ただし、枠のサイズや形状によってはもう少し大きめにクリアランス(隙間)を確保する場合もあります。

ガラスの幅寸法の具体的な計算方法

今回の場合ガラスの幅寸法は1012mmとなりました。

溝の深さがすべて15mm、内寸が1000mmとして具体的に考えてみます。

溝の深さと内寸を足すと1015mmとなりますが、1015mmでガラスを用意してもサイズは枠に入りません。

そこで、3mm小さくした1012mmが適切なガラス幅寸法となります。

ガラスサイズ1012mmから内寸1000mmを引いた12mmがかかりしろなので、左右へ均等に割り振って6mmずつのかかりしろとします。

左右で溝の深さが違う場合にはどうすればいい?

縦溝の深さが違うとき深い方に差し込むことを前提に計算をします

建具では、どちらか片方だけ深くなっている枠もあります。
この場合は、溝が深い方に差し込むことを前提に計算してガラスサイズを算出します。

浅い方にガラスを差し込んでしまうとかかりしろがとても少なくなります。

片方の溝が6mm、片方の溝が15mm、内寸が1000mmとして計算します。

浅い方の溝に差し込む想定で、溝の深さと内寸を合計した1006mmから2mmを引いた1004mmをガラス幅寸法とします。

この後、やり送りをして深さ15mmの方の溝にガラスを差し込むと、内寸が1000mmのためかかりしろとして使える部分は4mmとなり、左右に割り振ると2mmずつと、不安なかかりしろになってしまいます。

深い方に差し込むことが大切なポイントに。

深い方の溝に差し込めば、溝の深さと内寸を合計した1015mmから3mmを引いたとしても、ガラス幅寸法は1012mmとなり、かかりしろは内寸1000mmを除いて12mmとなります。

6mmの溝に対し6mmのかかりしろにしたとしても、深い方にも12-6=6mmのかかりしろができるため、安心できる納まりとなります。

このため縦溝の深さに差がある場合には深い方に差し込むことを前提にガラス寸法を算出しましょう。

まとめ&シリーズ記事紹介

押さえ縁の仕様と納め方を確認しておかないと、ガラスの寸法は出しにくいです。

納まり良くできるガラス寸法を出すには、どのような仕様なのかをよく確認し納め方を理解する必要があります。

本記事では下の押さえ縁だけが外れる場合の納め方とガラス寸法の出し方を解説いたしました。

同様のシリーズとして押縁の外れる位置ごとに解説したブログ記事も順次追加予定です。

「上の押さえ縁だけが外れる場合のガラスの納め方とガラス寸法の出し方」についてはこちら

「縦の押さえ縁が片方だけ外れる場合のガラスの納め方とガラス寸法の出し方」についてはこちら

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